原石で終わらすかダイヤモンドになるか ヨーロッパとの違い

9月の話になるのですが、日本臨床スポーツ医学会でのお話をしたいと思います

まとめ

  • サッカークラブに医師が毎日いる
  • 医師の許可がないとピッチに戻れない
  • 医師が練習に常駐している
  • 育成選手でもプロ契約する
  • 怪我は治すもの考えリハビリを重要視している
  • 治療戦略は単体ではなく再建術+アログラフト+再生医療(細胞医療)で復帰を早める
  • リハビリが一番効果的
  • その中でもエキセントリックエクササイズがよい
  • 怪我の最大のリスクファクターは受傷歴
  • なので最初の怪我の予防が大事
  • 成功ではなく成長をサポートするのがメディカルの役目
    といった感じです(^▽^)/

それではお話に戻ります

下肢スポーツ外傷障害に対する新治療戦略 齊藤良知先生

ヨーロッパでは国を超えて多くの症例をそろえており、データがあると怪我が見えてくるといった考えです。

ヨーロッパではサッカークラブの広大な敷地にラボ(研究施設)があり
入団時に様々な身体や認知行動のデータをとることで何かあるとそれと比べることが出来るようにしている。
そして、怪我の予防と能力向上だけで無く
未来にデータを残す役割もあるということです
なお、ラボでは医療行為は行わないそうです

ACミランにチームドクターは3人いたが、手術をすることはなく、他の医療機関への手配などコーディネーターをしている

また、育成施設も大きく250名程度選手がいて、
コーチは40人+医療関係も40名程度いて、
クラブ内に診療所があり毎日ドクターがいる。日本では週に1・2回くらい居てるかっととこだが・・・
そして怪我をした場合は、ドクターの許可が無いとピッチに戻れないとのこと。これはコートが治療をしないと結果的に損失になることをわかっているからだそうだ。
また、ドクターは練習に常駐し、選手やコーチとミーティングをしている

育成の選手でもトップと同じようなラボでデータを取っており、
育成選手でもプロ契約しよそに取られないようにしている。
なので子どもにもプロになるという意識がつよく
怪我は「治す」という考え方をしているのでリハに対する重要性を認識し、指導者の理解もある

ここまでがクラブチームの環境のお話で、次は治療戦略です


治療戦略について
acl(前十字靭帯)を断裂して日本では1年くらいで復帰するが、イタリアの4-5ヶ月で復帰する。

これはイタリア人が頑丈とかではなく

治療戦略に違いらしい

詳しく説明すると

日本では自分の靱帯を使って断裂した靱帯を再建するが、イタリアでは死亡した人から新鮮な靱帯(アログラフト)を貰って再建をするので侵襲が少なく、再建だけではなく細胞を使った(再生医療)治療も同時に行うことで、より早く復帰できるような治療戦略を行っているからだ

また、細胞治療はPRP医療が多く、これは

多血小板血漿というものを自分の血液から培養して使うため、拒否反応がなく様々な成長促進効果あるPRPを海外では美容や発毛にも使っている

著名なドクターは、PRP療法の対象患者はと聞かれると
『全部』と答えた。そして何か所もPRP療法を行うそうだ

違うドクターでは白血球が含まれるLR-PRRを使用して肉離れや腱炎を治療するが、肝となるのがエコーかでの確実な投与であると言っている

変形性関節症にも効くがエビデンスはとれていない。
でも抗炎症作用が痛みを抑えていると考えられており。実際に痛みが取れている
日本では次世代のPRRと言われるものが研究されており『APS』と言う
APSはPRRを脱水させてより抗炎症作用サイトカインを高めている
1回投与すると変形性関節症の除痛が一年間の持続する
その他にも
脂肪細胞治療といった治療が行われていて
リポジェムスという医薬品を使って自己細胞による再生を即す
この治療は培養せず直ぐ使うので直ぐ効果が出るらしいが、メカニズムはいまだ不明である
更に、
骨髄由来の細胞治療も治療戦略のひとつで
骨髄性の変形性膝関節症では使っている

ここでお伝えしたいのが

リハビリの意味である

語源には『本来あるべきところへの回復』という意味がり
実際にイタリアの理学療法士は、
人工関節を入れたお祖母ちゃんのリハで、
リハビリ終わったらお爺さんと歩くんでしょと言い、お爺さんもリハビリ室で一緒にリハビリしているそうです、
日本ではできない事かもしれませんが、
その人の事を深く考えているからこそ、そういったリハビリが可能だと感じる。

やはり
どんないい手術をしてもリハビリが無ければ効果が出てこない

通常の診察でも
イタリアの整形外科は痛み止めほとんどせず

手術か?リハビリか?細胞治療か?と言われ、ちゃんと治すところまでやる。
これは民間のリハビリ施設もトップ選手のような整った環境であり、リハビリ文化が進んでいるので出来る事でもある

細胞治療+リハビリという選択肢もあり
クリスティーナロナウドも肉離れで使っているが、エビデンスでは効果を証明できないが
リハビリは確実なエビデンスをもっている
とくにエキセントリックエクササイズ(遠心性収縮を使った筋トレ)の効果が高いというか
エキセントリックでの筋発揮が健側と同レベルにならないと再受傷してしまう

名医たちに『怪我の最大のリスクファクターは?』としつもんすると

答えは『受傷歴 』といい

やはり最初の怪我を予防するのが大切に
なので、膨大なデータを使って予防に役立てる


今までの医療は
怪我をしたら病院にいって
治ったらトレーニング
というのが基本的だが

怪我をしないトレーニングを教えて
トレーニングを続ける
と言った怪我をさせない為の医療が当たり前になる
パラダイムシフトが求められていると感じる


話をクラブチームに戻すと

アーセナルでは
ジュニアひとりひとりの科学的根拠のある成長状態によってトレーニングを組み立てている

メディカルは
結果的な成功をサポートするのではなく
個人の成長をサポートするといった関わり方をしており

6才でも医師の診断書がないとチーム登録できない

これも怪我の予防のために大切で

怪我を起こす前の状態を記録しておかないと
怪我しても良くなっているのかわからないからだ

結局のところ

原石で終わらすかダイヤモンドにするかは医療者のサポートや怪我をさせない環境でないだろうか

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