スポーツの成績が伸びない原因は貧血かも!
あなたの知らない スポーツ貧血の世界
田中祐貴先生の講演を聞いて
Athleteのperformanceを決めるの4大要素が破綻?
アスリートのパフォーマンス向上には4つの要素がありますが、このどれかが欠けるとパフォーマンスを落としてしまいますが、なかなか自覚するのが難しい要素があります
自覚が難しい要素とは?
・トレーニング≠過度のトレーニング
・食事栄養≠不適切な食事
・休養睡眠≠休養不足
・メンタル≠精神ストレス
この4つの中で自覚しにくいものはどれでしょうか?
・トレーニング≠過度のトレーニング
・食事栄養≠不適切な食事
・休養睡眠≠休養不足
・メンタル≠精神ストレス
不適切な食事で起こるスポーツ内科疾患
代表的なスポーツ内科疾患には
運動誘発性喘息・スポーツ貧血・無月経・オーバートレーニング症候群
などがありますが、 スポーツ貧血は最も多いスポーツ内科疾患 であり スポーツ貧血有症率20%(国体レベル) との調査結果がありますが、 症状を自覚するのが難しく、特に持久力の低下が目立たない
何故貧血になると持久力が低下するのか
貧血とは、血液中や体内の鉄が少なくなって起こることは知られていますが、鉄に含まれるヘモグロビンが酸素を運ぶ役割をしており、ヘモグロビン値の低下は酸素不足を意味し、酸素が不足すると動けなくなります
※体力の指標に 最大酸素摂取量(VO2MAX)が大きく関わりますが、 最大酸素摂取量(VO2MAX) はヘモグロビン濃度に比例 します
スポーツ貧血の原因 は?
・鉄需要増加(成長に伴い起こる)
・鉄摂取不足・吸収低下(運動血流優先による腸の栄養血管血流制限・ヘプシジンによる鉄吸収抑制)
・運動するとペプシジンが増えて貧血傾向になる
・汗からの喪失
・足底部への繰り返される衝撃による溶血(緩衝必要)
・エネルギー不足(臨床上多い)
といった原因がありますが、一番多いのは栄養不足(エネルギー不足)でちゃんと調べれば診断できます
スポーツ貧血の診断 基準とは?
血液検査で 男性はヘモグロビン14g/dl・フェリチン30ng/ml、女性はヘモグロビン11.5g/dl・フェリチン20ng/ml前後が基準となります
ヘモグロビン (血液中に含まれる鉄)
フェリチン(肝臓に蓄えている貯蔵鉄)
だが、エネルギー不足の貧血も少なくないのでヘモグロビンとフェリチン以外の判断基準が必要 です
エネルギー不足の血液検査
・総蛋白7.2g/㎗・コリンエステラーゼ270IU/l以下はエネルギー不足
となりますので総蛋白とコリンエステラーゼの検査必要になります
RED-s=スポーツにおける相対的エネルギー不足で起こる様々な健康問題
貧血の予防と改善に必要なものとは?
貧血の予防
鉄・ビタミンC・たんぱく質をしっかりとる。めざし・豚レバー・鶏レバーに多く含まれるヘム鉄が良い (植物性の非ヘム鉄は吸収率が悪い)
鉄不足の解消に加えてエネルギー不足の解消も必要=栄養価の高くバランスの取れたものを食べることが必須
内服薬やサプリで改善しないの?
鉄剤を内服してフェリチン値が上昇して貯蔵鉄の欠乏が解消してもエネルギー不足状態ではヘモグロビン値は改善はしません。また、鉄が過剰になっても身体被害を起こしパフォーマンスを崩してしまいます。
中には鉄剤の利かない慢性胃炎(H.ピロリ菌感染症)から鉄剤不応性の鉄欠乏性貧血となる為、鉄剤(サプリ)が効かない貧血もあります
最後に!
・息切れ・スランプは貧血を疑う
・貧血診断は必ず採血
・予防治療は栄養第一
・鉄剤使用は最終手段